新聞の将来は「サザンカの宿」か
最近気になることがある。新聞業界の将来はどうなるのかと。
東京ボーイズ風に歌うと、
♪新聞の将来を、謎かけ問答で解くならば
サザンカの宿と解きまする
……
あなた明日が見えますか
まさに新聞の先行きは『くもりガラス』状態で、不透明である。
「サザンカの宿」は大川栄策が歌ってたなぁ。作詞吉岡治、作曲は市川昭介だ。
♪くもりガラスを手でふいて
あなた明日が見えますか
山間の温泉宿かどこか。逢瀬に身を焼く人妻。あすは離ればなれになる二人。「せめて朝まで腕のなか 夢を見させてくれますか」なんちゃって(笑)。
蛇足ついでに「サザンカ」は山茶花と書き、花言葉は「ひたむき」だそうです。そうそう、山茶花究(さざんか・きゅう)という「詐欺師」なんぞの役柄が実に巧い名優もいましたっけ。
× × ×
さて話を戻す。
先ごろ発表の電通調査によれば、2009年の総広告費は前年比11.5%減の5兆9222億円となり、2年連続で前年を下回った。下げ幅は過去最大。世界同時不況による年前半の大幅な落ち込みが響いた。媒体別では新聞が18.6%減の6739億円と落ち込む一方で、インターネットは1.2%増の7069億円で、初めてネットが新聞を上回った。
こんな事態は10余年前から予想できたが、業務構造の改革が進まなかったようだ。新聞はマスコミ最強の頭脳などと自惚れ・プライドが妨げたのか。
× × ×
かつてスポーツ新聞社に勤めていた。入社して10年ほどは鉛の時代だった。
現場で取材した記者が原稿を書く。パソコン入力以前は、電話やファックスで送られた原稿をパンチャーが入力し、鉛活字鋳造機で活字にする。その活字を編集の整理記者(編集者)が記事を割り付け、見出しを付けて、制作の組み版のプロが熟練の技で左右さかさまの鉛活字を組み上げていた。
1445年グーテンベルグが発明した活字印刷機は、20世紀までその任務を全うした。鉛活字が消えて久しい。だが、より早くより正確なニュースを伝える新聞の本質は変わらない。ニュースの需要はどんな時代にも常にあるはずである。どのようなカタチになるにせよ新聞には生き残ってほしい。
ふるさとの『鉛』は懐かしく、愛おしいのだ。
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