「蛇足」の語義をデジタル大辞泉(三省堂)で引く
――《昔、中国の楚(そ)の国で、蛇の絵をはやく描く競争をした時、最初に描き上げた者がつい足まで描いてしまったために負けたという「戦国策」斉策上の故事から》付け加える必要のないもの。無用の長物。
さらに上記を補うと(そもそもコレが蛇足)、
蛇に足はないのだ。余裕の男は不要の足まで描いて、結局酒を飲めなかった。
楚の国の大将が斉の国を攻めた時、楚の参謀が「すでに最高位にあるあなたが斉に勝っても得るものはない。蛇の足を描いた者のような、無駄な戦(いくさ)をして負ければ、すべての地位を失う。戦はやめたほうがよい」と、進言し軍隊を引き上げさせた、という故事だそうだ。
40年以上も前の話である。高校時代の漢文の授業で、「蛇足」の故事由来と語源の説明があった。授業終了のチャイムが鳴った頃合、ある学生が(内容は忘れたが)とるに足らない質問をした。
「そういう質問をだな。蛇足という」と、教師はにやりとして言い、教室にどっと笑いが起こったのを、妙に記憶している。
蛇足とは、とるに足らないものである。
だが、しかし。
この蜘蛛巣丸太では敢えて「蛇足」を書くつもりだ。それも積極的に。「蛇足」の記憶を思い起こすのも、再度記すために調べるのもアンチエージング(ボケ防止)の一助になると、隠居にして覆面雑文屋の草野球音は信じるからだ。
ということで、絵もない、写真もない、殺風景な蜘蛛巣丸太である。無愛想なおやじがやっているラーメン屋に出くわしたような、そんな不運を老人介護のボランティアとおぼし召して、お付き合い願いたい。
どうかひとつ。ながーい目で見てください。ワリーネ。ワリーネ。ワリーネ・ディートリッヒ(小松政夫か)。
× × ×
以下、蛇足ながら‥‥。
小松のギャグ「ワリーネ・ディートリッヒ」の語源となっている「マレーネ・ディートリッヒ」の略歴を記す。
マレーネ・ディートリッヒ:1901年―1992年。ドイツの女優・歌手。「嘆きの天使」、ゲーリー・クーパーと共演した「モロッコ」、「ニュールンベルグ裁判」の映画に出演、歌手としては「リリー・マルレーン」で知られる。脚線美が有名。
※蜘蛛巣丸太「草野球音備忘録」では人物名の敬称を省略しています。文章中で「主」の記憶違い・事実誤認・赤字などがありましたら、ご指摘くだされば幸いです。また赤字などの訂正、文章表現などの加筆は随時行っています。
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