2016年6月24日金曜日

小林信彦「黒澤明という時代」

*5歳の孫が八ヶ岳みやげのオカリナに夢中だ。
『笛吹童子』と言ったら顰蹙(ひんしゅく)を買った。
中村錦之助主演の映画「新諸国物語 笛吹童子」___
1954年東映 / 少年にえらい人気だった ^_^)    ×    ×




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小林信彦著「黒澤明という時代」(文春文庫)を読む。

目  次
第1章  「姿三四郎」で戦時下に登場
第2章  「一番美しく」と「続 姿三四郎」
第3章  民主主義って何だ?ー「虎の尾を踏む男達」と「わが青春に悔いなし」
第4章  「素晴らしき日曜日」と無名の新人
第5章  「酔いどれ天使」ー同時代性の衝撃
第6章  「静かなる決闘」と「野良犬」の陶酔
第7章  幻の秀作「白痴」
第8章  余裕と話術の傑作「生きる」
第9章  「七人の侍」の明暗
第10章  「生きものの記録」をどう観たか
第11章  技巧の極致」ー「蜘蛛巣城」と「どん底」
第13章  「隠し砦の三悪人」と「悪い奴ほどよく眠る」の狭間で
第14章  「用心棒」と「椿三十郎」の微妙な差
第15章  文句なしに面白い「天国と地獄」
第16章  「赤ひげ」は〈集大成〉か
第17章  「どですかでん」までの悪路
第18章  「デルセ・ウザーラ」と幸運
第19章  「影武者」と「乱」ー三船のいない戦国絵巻
第20章  三つの小品」ー「夢」「八月の狂詩曲」「まあだだよ」
最終章  テクニックと〈言いたいこと〉
自分の舌しか信用しないーあとがきに代えて
解説  芝山幹郎

・小林信彦(こばやし-のぶひこ)=デジタル版日本人名大辞典+Plus
1932- 昭和後期-平成時代の小説家,評論家。
昭和7年12月12日生まれ。34年「ヒッチコック・マガジン」の初代編集長となる。38年作家生活にはいり,「虚栄の市」「冬の神話」などの純文学作品や,「大統領の密使」「オヨヨ島の冒険」などのユーモア冒険小説を発表。中原弓彦の筆名で映画・演劇評論も手がけ,48年「日本の喜劇人」で芸術選奨新人賞。平成18年菊池寛賞。東京出身。早大卒。

小林信彦さんは黒澤明との出逢いをこう記している。
  この新人の第一作「姿三四郎」が封切られたのは、あくる昭和十八年の三月二十五日で、ガダルカナル島撤退のあとの暗い世相の中で、それは一つの、明るい事件だった。国民学校四年から五年に進む春休みの中にいる私は、生まれて初めて〈文化的事件〉を経験したことになる。(「黒澤明という時代」原文のまま)
11歳の著者にとっていかに襲撃的だったか、見て取れる。
以来、リアルタイムで黒澤作品を、「生きる」「七人の侍」から晩年まで観続けた。映画評ばかりか昭和の時代を映し出している。

日本橋の商家に生まれた小林さん。街っ子は一人映画館に出入りしていた。かくいう私も15歳も年少だが、10歳ぐらいから映画を観ていた。そんなところ親近感を持った。実は数年前に買った本だが、今まで読めなかった。作品を観ていないと、小林さんが語る内容が理解できず、パラパラめくって積読状態だった。黒澤作品全30作品中の18作品を観て読んだ。観た作品の批評は理解も多少あり面白く読むことができた。

黒澤作品を愛情と厳しさで語っている。
「七人の侍」上映映画館が満員の様子が書かれている。
  トイレに行きたかったが、その空間にもう戻れないので我慢した。(原文のまま)
今までは席が決まっていて「満席」はあるが。「満員」はない。それこそ通路もいっぱいでドアも閉まりにくい状態の映画館を経験しているので、身近に感じました。

黒澤明いや映画ファンにお薦めです。

「黒澤明」観た18作品
「姿三四郎」1943 藤田進 大河内伝次郎 月形龍之介
「酔いどれ天使」1948  志村喬 木暮実千代
「静かなる決闘」1949  三條美紀 志村喬
「野良犬」1949  志村喬 淡路恵子
「醜聞スキャンダル」1950  山口淑子 志村喬
「羅生門」1950  京マチ子 森雅之 志村喬
「白痴」1951  原節子 森雅之 志村喬
「生きる」1952 志村喬 小田切みき 伊藤雄之助
「七人の侍」1954  志村喬 木村功 加東大介
「生きものの記録」1955  志村喬 青山京子
「蜘蛛巣城」1957  山田五十鈴 志村喬
「どん底」1957  山田五十鈴 香川京子
「隠し砦の三悪人」1958  上原美佐 千秋実 志村喬
「悪い奴ほどよく眠る」1960 香川京子 森雅之 志村喬
「用心棒」1961  仲代達矢 司葉子 志村喬
・「椿三十郎」1962  仲代達矢 加山雄三 志村喬
・「天国と地獄」1963  仲代達矢 香川京子 志村喬
・「赤ひげ」1965  加山雄三 山崎努 香川京子 志村喬  ・

2016年6月21日読了
読書の轍

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