2015年3月26日木曜日

又吉直樹「火花」

*米女優のアンジェリーナ・ジョリーが今度は卵巣摘出手術を行った。
癌リスク回避の措置で2013年には両乳房を摘出している。
NYタイムズ紙に彼女が寄稿した 2015/03/24付。
同じ立場なら? あたしゃ痛いの嫌いだな f^_^;)    ×    ×  


お笑いコンビ、ピースの又吉直樹の小説「火花」(文藝春秋)を読む。

熱海の花火大会の余興で舞台に立ったお笑いコンビ「スパークス」の僕(徳永)は漫才をするものの、お囃子の騒音にかき消され全く受けない。「仇とったるわ」と入れ替わりに出た先輩コンビ「あほんだら」神谷は常軌を逸したネタで主催者の不興を買った。
神谷の笑いに対するストイックさと天才的な才気に、僕は彼を師匠と慕うようになる。

漫才師の余技じゃないね。
ホンマモンです。
人間観察力が鋭い。
題材が知っているお笑いの世界であり、
登場人物の言動にリアリティを感じます。

  大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。熱海湾に面した沿道は白昼の激しい陽射しの名残りを夜気で溶かし、浴衣姿の男女や家族連れの草履に踏ませながら賑わっている_____これが書き出しですが、気合いが入っていますよね。

  幻のように鮮やかな花火が夜空一面に咲いて、残滓(ざんし)を煌(きら)めかせながら時間をかけて消えた。

  この人は愚か者だ。畢生(ひっせい)のあほんだらだ。

  神谷さんの頭上に泰然と三日月がある。

純文学っぽい表現も随所に見られます。
・残滓(ざんし):残りカス。
・畢生(ひっせい):一生を終わるまでの期間。終生。

面白く読みました。

2015年3月22日読了
読書の轍

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