2013年11月23日土曜日

相場英雄「震える牛」

*メモ魔の刑事が未解決事件をねっちこく捜査する__。        

  相場英雄の「震える牛」(小学館文庫)を読む。  

  2年前に起こった「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」はいまだ未解決。警視庁捜査一課継続捜査班の刑事 田川信一は、ノンキャリアの出世頭 捜査一課長の宮田次郎からその未解決事件の捜査を命じられた。殺害されたのは2人でともに面識はなかった。当時の捜査本部は金目当ての外国人犯罪と筋読みしたが、事件調書を読んだ田川に疑問が拡がった。

目次
プロローグ
第一章   継続
第二章  鑑取り
第三章  薄日
第四章  妨害
第五章  魔手
第六章  追跡
第七章  包囲
第八章  破裂
エピローグ

中年刑事の田川のキャラクターが面白い。
粘り強い捜査力に加えて大変なメモ魔。
蛇腹タイプのメモリフィルを愛用し、
聞き込んだ情報を肥後守(小刀)で削った鉛筆で書き込む。
事件の謎が核心に迫るに連れて手帳がふくらむ。
背広の胸が不自然に盛り上がるほどになるのだよね ^_^)。

そして、BSEの問題にまでたどり着く……。

最近有名ホテルや百貨店で偽装表示の問題が騒がれたが、
日本の食の問題に迫る社会性のある警察小説でした。
シロイヌ。

2013年11月23日読了
読書の轍#20

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