2011年10月29日土曜日

ロートレック展:三菱一号館美術館


「退廃の画家」は19世紀末を駆け抜けた。
 19世紀末に画家・版画家としてパリで活躍したロートレックの作品を集めた「トゥールーズ=ロートレック展」(20111013日~1225日)が、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開かれている。同館所蔵のロートレックのリトグラフなど約180点とフランスのアルビ市の姉妹館のトゥールーズ=ロートレック美術館の所蔵の油彩画などが展示されている。
構成
・第1章:トゥールーズ=ロートレック家の故郷・南西フランスと画家揺籃の地・アルビ
・第2章:世紀末パリとモンマルトルの前衛芸術
・第3章:芸術家の人生
 
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864年―1901年)は南西フランスの街アルビのボルグ城で名門貴族の家に生まれた。画才を幼少時から発揮し、8歳でパリに出て、絵の勉強をするが、13歳のとき左大腿骨、14歳で右大腿骨を骨折し、脚の発育が止まった。それでもパリでの修業を続けた。成人になっても身長は152センチに過ぎなかったといわれる。
1891年キャバレーのムーラン・ルージュのために描いたポスターが大評判となった。斬新な画法がロートレックを世に知らしめた。
パリやモンマルトルのキャバレー、ダンスホール、カフェ・コンセール(演芸喫茶)、劇場、芝居小屋に入り浸り、歌手や踊り子を華やかに描き出した。
  パリの退廃的な夜の世界に浸ったところから、「退廃の画家」といわれる。
 脚の怪我が作風に影響を与えたのだろうか。華やかな繁華街の裏側に生きる娼婦などの日常を共感と愛情をもち、優しい眼差しを注ぐように描いている。
1899年過度の飲酒が身体を蝕み、アルコール中毒で入院。
1901年、ボルドーに近いマルロメ城で母親に看取られ没した。36歳だった。「退廃の画家」は19世紀末を駆け抜けた。

モーリス・ジョワイヤンはロートレックの幼少時代からの親友であり画商。三菱一号館美術館所蔵のロートレックのポスターやリトグラフは、ロートレックがアトリエに残した作品をモーリス・ジョワイヤンに引き継がれたコレクション。
 
★ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ
 ロートレックがムーラン・ルージュの宣伝のために描いた、初のポスター。中央の脚を高く(フレンチカンカンですよね)上げているのがラ・グーリュ(食いしん坊)と呼ばれた踊り子。手前の影のように描かれている男は、ヴァランタン・デゾセ(骨なしヴァランタン)。身体が軟らく骨がないように踊るさまが異名となったとか。後景のシルエットが舞台の観客です。
――音声ガイドを借りましたら、そんな説明でしたぞ。

いや実に大胆な構図です。華やかパリの夜を活写していますね。
20111027日観覧

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