2010年4月29日木曜日

沢尻エリカ⇒橋幸夫

たった1字違い「江梨子」
 エリカ様はやはりスターですな。夫の『ハイパーメディアクリエーター』(どんな仕事をしているヒトなのか)高城剛との離婚の意思を自身のホームページで表明した渦中の沢尻エリカが、写真家の蜷川実花の個展に顔を出したことを、4月29日付のスポーツかわら版が1面で報じています。

・そのいでたちがムチムチ生足を露出した超ミニのワンピースだった
・左手薬指には結婚指輪が外されていた
・堂々と報道陣に手を振った
など詳細記事が載っていました。3つの具体的な記述から離婚の決意は固く芸能界復帰ヘの意欲が感じられます。が、結構ミーハーな草球kusatamaにしても1面とはちょいと大袈裟な扱いに思えるのですが、きっと一般大衆の興味は高いのでしょうね。『超』の付くスターと言わざるを得ません。

×  ×  ×

 さて「エリカ」から「江梨子」に話をメチャ振りします。なぜ? わずか発音にして1字(音)の違いですぞ。かなり近しい関係。親戚みたいなもんでしょう(どこが!=突っ込みの声)。

 橋幸夫の歌です。昭和30年代後半から40年代にかけて、飛び抜けたスター歌手でした。それこそ沢尻エリカを凌ぐ超売れっ子でしたな。『御三家』の筆頭といえば、尾張じゃなくて彼だったのです。舟木一夫、西郷輝彦の人気も凄かったけど、ね。

 股旅もの、青春歌謡、リズム歌謡と幅広く歌った橋ですが、「江梨子」は青春歌謡のヒット曲です。作詞・佐伯孝夫、作曲・吉田正のコンビです。
 ♪冷たい雨が 降る朝に
  一人で江梨子は 死んでしまった

 橋主演で同名タイトル「江梨子」が大映で映画化されています。1962年(昭和37年)のことです。「江梨子」役には新東宝から大映に移籍した三条魔子が扮し、この江梨子役が縁でのちに「三条江梨子」と芸名を変えました。

「エリカ」とたった1字違いの「江梨子」――またまたハマの隠居の時代遅れの呟きでした。
 お呼びでない。こりゃまた失礼しましたm(_ _)m

2010年4月27日火曜日

沢尻エリカ⇒西田佐知子

ツツジ科の花の連想ゲーム
 女優の沢尻エリカが離婚するってんで大騒ぎですな。なんでも彼女の意志は固いが、高城剛という『ハイパーメディアクリエーター』(どんな職業なんだろうか?)のダンナは別れたくないとか。

 とかく沢尻エリカの話題は、芸能マスコミでは扱いが大きくなります。これが不思議でなりません。「たかの友梨ビューティクリニック」のテレビCMではナイスバディを見せてくれていますが、なんだってスポーツかわら版の1面を飾るほど大騒ぎするのか? 理解できません。

×  ×  ×

『エリカ』はツツジ科の植物で、その花言葉は、
・孤独/謙遜/休息/心地よい言葉/博愛
だそうです。

×  ×  ×

 西田佐知子の歌で「エリカの花散るとき」があります。作詞は水木かおる、作曲は藤原秀行――あの西田の代表作「アカシアの雨がやむとき」や赤木圭一郎のヒット曲「霧笛が俺を呼んでいる」のコンビですな。

 ♪青い海を 見つめて
  伊豆の山かげに
  エリカの花は 咲くという

 将来のある女優サン、沢尻エリカの「散るとき」は見たくない。大輪の花を咲かせてほしいものですな(エリカ繋がりで無理やり〆とします=笑)。

2010年4月25日日曜日

誉田哲也「ストロベリーナイト」

 誉田哲也の「ストロベリーナイト」(光文社文庫)を読む。ノンキャリアながら27歳の若さで警部補に昇進した警視庁捜査一課の殺人犯捜査係主任を務める姫川玲子が主人公のシリーズ第1作。  















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 亀有・水元公園の溜池近くの植え込みからブルーシートに包まれた惨殺死体が発見された。事件は難航するが、女主任の玲子が独特の直感と発想力で事件の道筋をつけて行く。そんななか部下の大塚が『ストロベリーナイト』という謎の言葉を仕入れてくる……。

×  ×  ×

 美人で暗い過去の事件を引きずる玲子を中心とした登場人物が面白い。
・石倉保巡査部長47歳
・菊田和男巡査部長32歳
・大塚真二巡査27歳
・湯田康平巡査26歳
が姫川班のそれぞれ個性のある部下4人。
 ライバル警部補の『ガンテツ』こと勝又健作は強烈なキャラで、違法捜査も辞さない公安上がりの強面だ。また関西弁で玲子に迫る井岡博満も変な刑事と、曲者揃いである。
 個々の生き生きしたキャラクター作りもシリーズ化には欠かせない要素なのだろうね。

 怪奇的で暴力的な描写が続く冒頭部分で怖いもの嫌いの草球kusatamaは戸惑い、読むのに手こずったが、シロイヌの警察小説である。

拙ブログ「姫川玲子シリーズ」関連
「ストロベリーナイト」2010/04/25
「ソウルケイジ」2010/06/09
「シンメトリー」2011/02/26
「インビジブルレイン」2012/08/05 

 文庫巻末の解説を「梅原潤一」という有隣堂横浜駅西口店の書店員が書かれていた。西口に以前住んでいたときは、専らここを利用していたのだが、ポートサイドに移住してからはそごう横浜の紀伊国屋書店が行き付けなんだよね。どうでもいい話ですが……(笑)。
2010年4月24日読了ストロベリーナイト (光文社文庫)

2010年4月24日土曜日

笑っちゃうぜ西友パスタ

お弁当より顔チーサイよ

「千葉さんって小顔だね」
「えっ。うそー」
「だってお弁当より顔チーサイよ」
⇒実はパスタがでっかい。

 西友のボリュームパスタのCM。OLの昼休みの語らいがごく自然で、いかにもありそうなシーンに、笑いを誘われますな。

 思いついたままの隠居の呟き――どうでもいい話でした。
 お呼びでない。こりゃまた失礼しましたm(_ _)m

2010年4月22日木曜日

ディック・ミネ 水原弘 橋幸夫

雨にまつわる連想ゲーム

 ガキのころのチャンバラごっこ。
「月様、雨が……」
「春雨じゃ濡れてまいろう」
なんて、大人びてしゃべっていた。
 勤皇派と佐幕派が抗争を繰り広げる京の街。祇園。傘を差し出す芸者の雛菊に月形半平太が空を見上げて吐く台詞だ。
「月形半平太」は、「国定忠治」と並ぶ新国劇の代表作品で行友李風(ゆきとも・りふう)が書いた戯曲である。1919年(大正8年)が初演というから、およそ90年前に原作は出来た。土佐勤皇党の武市半平太こと武市瑞山をモデルしている。NHK大河ドラマ「龍馬伝」では武市役は大森南朋が演じている。

×  ×  ×

 雨になると歌いたい曲がある。草球kusatama の場合はディック・ミネ⇒水原弘⇒橋幸夫となる。
 名曲「或る雨の午後」はディック・ミネが歌いヒットした。戦後生まれだが、戦前のヒット曲が耳に残っている。作詞は島田磬也(きんや)、作曲は大久保徳二郎だ。
 ♪雨が降ってた しとしとと
  或る日の午后の ことだった
 
 続いて作詞・永六輔、作曲・中村八大の「黄昏のビギン」である。水原弘が歌い、ちあきなおみがリメークした。どちらの歌手で聴いてもいい。旋律が美しい。
 ♪雨に濡れてた 黄昏の街
  あなたと会った 初めての夜

 橋幸夫の歌で「雨の中の二人」がある。佐伯孝夫・吉田正の作詞・作曲コンビの曲が多い橋では、珍しく作詞は宮川哲夫、作曲は利根一郎。
 ♪雨が小粒の 真珠なら 
  恋はピンクの バラの花

 3曲ともに雨に濡れながらも歩く恋人を歌いあげている。氷雨ではなく、冷雨でもない。濡れても心地よい柔らかい雨がモチーフになった楽曲だと思う。

×  ×  ×

 詩人で英文学者の西脇順三郎に「雨」という詩がある。

 南風は柔らかい女神をもたらした
 青銅をぬらし、噴水をぬらした
 ツバメの羽と黄金の毛をぬらした
 ――以下略

 苦い思い出の詩なのだ。大学入試の現代国語で、『女神』は何を指していますか、と出題され、不覚にも出来なかった。
 女神は『雨』ですよね。イメージとしては南欧か、それも古都ローマあたりの雨で、濡れて心地よい雨なのだろう、ね。
 そのとき感受性の欠如している己を嫌悪したものです(笑)。

2010年4月20日火曜日

ピカソ展:そごう美術館

マティス、ウォーホルら20世紀巨匠ズラリ

 横浜駅東口・そごう美術館(そごう横浜店6F)で「ピカソと20世紀美術の巨匠たち」展(2010年4月8日~5月16日)を観る。
 ドイツのルートヴィヒ美術館所蔵のピカソ作品8点をはじめヴラマンク、マティス、クレ―、モディリアニ、カンディンスキー、ステラ、ブレイク、ウォーホルなどの20世紀美術を代表する画家41人の絵画作品60点を紹介している。ルートヴィヒ美術館はドイツ、ケルンの大聖堂に隣接する美術館で、ルートヴィヒ夫妻が収集した近代美術がコレクションの中心となっている。

×  ×  ×

 いつもながらゆったり観ることができました。ご近所なので行きつけの美術館です。ピカソを筆頭に20世紀を代表する画家の作品がズラリと並び、観応え十分でした。
 アメデオ・モディリアニの「アルジェリアの女」(写真)やバウル・クレイの「陶酔状態の道化」などが印象に残りました。

×  ×  ×

 ところでパブロ・ピカソの本名(フルネーム)って知っていますか?
 トリビアな話ですが……。
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」と、とんでもなく長いのです。もちろん草球がこんな長い本名を覚えているはずはありません(笑)。web上から『拝借』して掲載しました。
 まるで落語の寿限無のようですな。
2010年4月20日観覧

2010年4月18日日曜日

三谷幸喜の愛猫おっしー

小林聡美の『嫁入り道具』

 ペットの訃報だってつらい。三谷幸喜さんチの愛猫おっしーが亡くなったという話を、彼が連載する朝日新聞夕刊エッセイで書いていた。2010年4月17日金曜日掲載の「ありふれた生活」である。おっしー(おしまんべ)は18歳だった。
 2カ月前から体調不良の老猫をやさしく労り介護する様子があり、心配していたが、とうとう来るべきときが来たという印象だった。腎機能の低下のため動物病院で点滴を打ち、食欲の落ちた対策においしい料理を作ったり、夜は添い寝したりする毎日だったそうだ。
 おっしーはもともと妻の小林聡美が独身時代から飼っていた猫だった。

 一連のエッセイには三谷の優しいさが伝わり、より彼への親近感が増した。

×  ×  ×

 私事で恐縮だが、我が家の愛犬ポメラニアンのビッキー(写真)も2月に亡くなった。享年15歳1か月。老衰だった。腎不全や食欲不振、添い寝の状態は共通点があり、三谷家の話は人ごとでなかった。
 早や2カ月が経つが、寂しい。自宅近くにその名も『ペットヘブン』という動物専用の斎場と霊園を兼ねた施設がある。ささやかなスペースを借り、遺骨を安置している。毎週のように会いに行く。線香をあげ話かけるだけだが、遺影がこちらに向って機嫌よく尻尾を振っているような気がする。安心もし、癒される。
 死してなお癒しを施すペットは偉大ですな。

2010年4月16日金曜日

書陵展…紫舟ら人気書家

 JR川崎駅前のアートガーデンかわさきで「書陵展」(2010年4月13日~18日)を観る。毎年開催されている地味な書の展覧会ながら、力作揃いだった。


×  ×  ×

 NHK大河ドラマ「龍馬伝」の題字は『龍』が天に昇るイメージで書かれたとか。書家は紫舟。アートのようだ。
 俳優の西村和彦の妻で、書家の國重友美はアルファベットを組み合わせた『英漢字』で知られる。
 武田双雲はテレビなどのパフォーマンス書道で知られる。

 紫舟、國重、双雲といずれも雑誌などマスコミ登場が多く、人気もあるが、書の専門家のなかには『邪道』『異端』扱いをする人もあるという。

×  ×  ×

 書と向き合うと『感字ル』ものがある。どのように感じるかは、観る側の主観である。心地よさや癒しを感じられればいいではないか。つまりどう思うかは人それぞれの勝手。また表現は書家の勝手。批判は馴染まない。
 書知らずの野暮な草球は思うのだ。
2010年4月15日観覧

2010年4月11日日曜日

旭が裕次郎の牙城に迫る

「錆びたナイフ」で共演も

・東映:中村錦之助(のちの萬屋錦之介)・大川橋蔵
・大映:市川雷蔵・勝新太郎
・日活:石原裕次郎・小林旭
 かつて1960年代の邦画黄金期、映画会社には2枚看板が存在した。

×  ×  ×

 俳優で歌手の小林旭がテイチクレコードに移籍し、新曲「遠き昭和の…」を公開録音した。テイチクといえば、日活の両雄、石原裕次郎が在籍し数々のヒット曲を生みだしたレコード会社、いわば『牙城』だ。1960年代に映画館に足を運んだ草球などには、旭の移籍は感慨深いニュースであった。

 マイトガイ旭の歌を初めて聴いたのは、「ダイナマイトが150屯」だった。頭のテッペンから絞り出すような甲高い歌声には驚いた。
 ♪烏の野郎 どいていな
  とんびの間抜けめ 気をつけろ
  癪なこの世の カンシャク玉だ
 作詞は関沢新一、作曲は船村徹だった。『マイトガイ』の命名は、このダイナマイトに由来する。
 高音が目立つ歌唱に対して台詞は低音でしゃべる。この差異が面白い。

「ダイナマイトが150屯」はコロムビア時代に吹き込んだものだが、美空ひばりとの離婚後クラウンに移籍している。その後にポリドール、ソニーレコーズと渡り、テイチクとなったわけだが、テイチクが恐らく彼にとって最後に所属するレコード会社ではないか。

 2枚看板とは、それぞれに主役を張る映画会社を代表するスターである。東映一家の長男が錦之助、大映一家が雷蔵、日活一家の裕次郎なら、さしずめそれぞれの家の次男が橋蔵、勝新、旭であった。待遇面でも嫡男と次男の差はあったと思う。

 珍しい裕次郎と旭の共演作品は1958年制作の「錆びたナイフ」である。石原慎太郎の原作を、舛田利雄が監督した。旭は裕次郎の弟分を演じた。北原三枝が共演していた。杉浦直樹と裕次郎の格闘シーンが迫力あったと記憶している。

2010年4月10日土曜日

星川清司と「眠狂四郎」

2年前の訃報だった。
 市川雷蔵主演の映画「眠狂四郎」の脚本で知られる小説家の星川清司(ほしかわ・せいじ=本名・星川清)さんが亡くなった。2008年7月25日に亡くなったが、故人の遺志で公表を避けていた。86歳だった。1926年と公表していたが、実際は1921年生まれだったことがわかった。寅年(1926年)生まれは運が強いと、若いころから病弱だった彼が縁起を担いでいたものだった。これにより「小伝抄」で直木賞を受賞した1990年には68歳だったことになり、1991年に65歳で受賞した古川薫の最年長受賞記録を上回ることになった。
 と、『注釈』の多い死亡記事が4月9日付の朝刊に掲載されていた。

×  ×  ×

 市川雷蔵主演の大映映画「眠狂四郎」は柴田錬三郎原作で、全12作が制作された。ニヒルな狂四郎と美女の絡むエロティシズム、円月殺法の立ち回りと見せ場の多い脚本で60年映画全盛時の人気シリーズとなった。「若親分」「忍びの者」「陸軍中野学校」などシリーズを持つ雷蔵だが、「眠狂四郎」は最高の当たり役と言っていいだろう。
 星川は第1作から7作までの脚本を担当し、人気シリーズの礎を築いた。全12作中8作(11作目も)を書いている。

市川雷蔵の眠狂四郎シリーズ
・第1作:殺法帖1963年 星川清司脚本・監督田中徳三・共演中村玉緒
・第2作:勝負1964年 星川清司脚本・監督三隅研次・共演藤村志保
・第3作:円月斬り1964年 星川清司脚本・監督安田公義・共演浜田ゆう子
・第4作:女妖剣1964年 星川清司脚本・監督池広一夫・共演藤村志保
・第5作:炎情剣1965年 星川清司脚本・監督三隅研次・共演中村玉緒
・第6作:魔性剣1965年 星川清司脚本・監督安田公義・共演嵯峨三智子
・第7作:多情剣1966年 星川清司脚本・監督井上昭・共演水谷良重
・第8作:無頼剣1966年 伊藤大輔脚本・監督三隅研次・共演天知茂
・第9作:魔性の肌1967年 高岩肇脚本・監督池広一夫・共演鰐淵晴子
・第10作:女地獄1968年 高岩肇脚本・監督田中徳三・共演高田美和
・第11作:人肌蜘蛛1968年 星川清司脚本・監督安田公義・共演緑魔子
・第12作:悪女狩り1969年 高岩肇脚本・監督池広一夫・共演藤村志保

2010年4月8日木曜日

西河克己さんと吉永小百合

60年代に吉永小百合、70年代に山口百恵――時代を代表するスター作りに貢献した映画監督、西河克己(にしかわ・かつみ)さんが2010年4月6日亡くなった。91歳だった。










×  ×  ×

 供養というにはおこがましいが、西河克己監督で、吉永小百合が出演した映画作品をピックアップしたい。草球は俗にいう『サユリスト』。ガキのころ随分と観ましたなぁ。

・1961年:草を刈る娘 石坂洋次郎原作で共演は浜田光夫。
・1962年:赤い蕾と白い花 石坂洋次郎原作で共演は浜田光夫。
・1962年:若い人 石坂洋次郎原作。主演は先生役の石原裕次郎。小百合は生徒に。浅丘ルリ子も出演。
・1963年:青い山脈 石坂洋次郎原作で共演は浜田光夫、高橋英樹、芦川いづみ、田代みどり。
・1963年:雨の中に消えて 石坂洋次郎原作で共演は笹森礼子、十朱幸代、高橋英樹。
・1963年:伊豆の踊子 川端康成原作で相手役の学生に高橋英樹。
・1964年:帰郷 大佛次郎原作で共演は森雅之。

 観ていないが、以下の2作品もある。
・1965年:悲しき別れの歌 石坂洋次郎原作で共演は浜田光夫。
・1965年:四つの恋の物語 源氏鶏太原作で共演は芦川いづみ、十朱幸代、和泉雅子。

「青い山脈」は過去5回映画化されている。西河監督作品は第3回目。小百合が演じた寺沢新子役を振り返ると、
・1949年:杉葉子(監督今井正)
・1957年:雪村いづみ(監督松林宗恵)
・1963年:吉永小百合(監督西河克己)
・1975年:片平なぎさ(監督河崎義祐)
・1988年:柏原芳恵(監督斎藤耕一)
となっている。主題歌「青い山脈」は1949年に藤山一郎と奈良光枝が歌い大ヒットし、今だに歌い継がれている。
 ♪若く明るい 歌声に
  雪崩は消える 花も咲く
 作詞は西條八十、作曲は服部良一の名曲である。

 また「伊豆の踊子」も6回映画化されている。踊子役の変遷は、
・1933年:田中絹代(監督五所平之助)
・1954年:美空ひばり(監督野村芳太郎)
・1960年:鰐淵晴子(監督川頭義郎)
・1963年:吉永小百合(監督西河克己)
・1967年:内藤洋子(監督恩地日出夫)
・1974年:山口百恵(監督西河克己)
となっており、西河は2度監督を務めている。

×  ×  ×

 石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎に次ぐ日活第4の男、和田浩治のデビュー作品「無言の乱斗」(1959年)も西河克己が監督している。15歳の和田がいきなり映画の主演を張ったのだった。

2010年4月7日水曜日

ペット遺棄に刀舟が叫ぶ

叩っ斬ってやる!

 埼玉県飯能市の山中に犬猫約100匹の死骸が捨てられていた事件で、動物葬祭業者で元町議が逮捕されたという。火葬費を浮かすために犯行したというから呆れるし、腹が立つ。
「破れ傘刀舟」の萬屋錦之介なら、
――てめえら人間じゃねえや。叩っ斬ってやる!
と叫ぶに違いない。

2010年4月5日月曜日

堂場瞬一「青の懺悔」

真崎薫シリーズ第2弾

 堂場瞬一の「青の懺悔」(PHP文庫)を読む。「蒼の悔恨」の後に出版された真崎薫シリーズの第2弾。

 神奈川県警を辞した真崎薫は、恋人で刑事、赤澤奈津の父・浩輔から譲り受けたビルに私立探偵事務所の看板を掲げた。そこに高校時代の野球部の仲間で、プロスポーツ選手の代理人を務める長坂秀郎が訪ねてきた。依頼は、やはり昔の仲間で、長坂が代理人となっている、メジャーリーグから日本球界に戻ってきた結城亮平に関することだった。結城に会った真崎は、「息子が誘拐された」と打ち明けられる。

×  ×  ×

 小説の舞台は横浜。中華街で世界飯店の店主で裏の世界に通じている楊貞姫(ヤン・ジェン・ジー)が前作に続き登場する。

 年増ながら妖艶で女傑の凄みを漂わせる楊サンがいいねぇ。ハードボイルド小説のスパイスだ。昔の日活アクション映画なら、さしずめ南田洋子か中原早苗って役どころかな。
2010年4月4日読了青の懺悔 (PHP文庫)

2010年4月4日日曜日

俊寛の面に刻まれた悲劇

能面展:かなっくホール

 JR東神奈川駅に隣接した『かなっくホール』(横浜・神奈川区)で「面友会 能面展」(3月30日~4月5日)を観る。
 能面を間近で初めて観ると、表情が多彩で興味深い。
 一般的によく表情のない、少ないことを形容して『能面のよう』などと言うが、この言葉はあたらない。

 能を知らない身では、理解が及ばないが、知ればより面白く堪能できることだろう。面打師・佐藤征弘さんが自らの作品『俊寛』を説明してくれた。
――平家転覆の謀が発覚し、俊寛僧都、平判官康頼、丹波少将成経の3人が九州薩摩の絶海の孤島、鬼界ヶ島に流された。都では、中宮のちの建礼門院の出産の祈りのため大赦が行われることになる。都から届いた赦免状には、康頼と成経の名はあったが、俊寛はなかった。そして別れの日、2人の乗った船が俊寛の前から遠ざかって行く……。
 平家物語屈指の悲劇だそうだ。面に悲しみが宿っていた。
2010年4月4日観覧

2010年4月1日木曜日

霧笛が無笛に赤木圭一郎

映画&主題歌がヒット

 4月1日付の朝日新聞の朝刊に気になる記事があった。
――濃霧や吹雪で視界が悪いときに霧笛を鳴らし、航海の道しるべとなってきた霧信号所が3月31日廃止され、国内で全廃となった。

×  ×  ×

 夭折の映画俳優、赤木圭一郎の映画とその主題歌に「霧笛が俺を呼んでいる」というがある。映画も歌もヒットし、彼は日活第3の男に伸し上がった。
 映画は山崎徳次郎監督、脚本は熊井啓、企画制作は水の江滝子だった。船員役のトニーに、相手役は芦川いづみ。吉永小百合も出ていたなぁ。

 歌は、作詞が水木かおる、作曲は藤原秀行だった。
 ♪霧の波止場に 帰って来たが
  待っていたのは 悲しいうわさ

×  ×  ×

「霧笛が俺を呼んでいる」は赤木圭一郎が歌った曲では一番ヒットしたのではないか。好きで草球も口ずさむ。21歳の若さで亡くなったトニ―も存命なら、今年71歳か。
 もう聴けなくなった『霧笛』ですが、歌でその存在を語り継ぎたい。