2010年2月2日火曜日

雄星よ歴代左腕に伍せ

末は金田正一か、江夏豊か

 プロ野球がキャンプインした。テレビのスポーツニュースでは、岩手・花巻東高校から埼玉西武ライオンズに入団した新人、雄星(菊池雄星)のキャンプ初日の投球練習に時間が割かれ、注目度が高い。
 テレビ画面を凝視してしまった。大きなテークバックから柔らかな、ゆったりしたフォームで投げていた。美的で完成度の高い投球フォームに大物感が漂う。「ホンマモンのサウスポー」と草野球音は思う。末は金田か、江夏か、先を急ぐようだが、期待を抱かせる。

×  ×  ×

日本プロ野球史上で200勝以上を記録した左腕(所属は最終在籍球団)
① 金田正一(巨人)400勝298敗
② 鈴木啓示(近鉄)317勝238敗
③ 梶本隆夫(阪急)254勝255敗
④ 工藤公康(西武)224勝140敗3セーブ★
⑤ 中尾硯志(巨人)209勝127敗
⑥ 江夏 豊(西武)206勝158敗193セーブ
⑦ 山本 昌(中日)205勝159敗5セーブ★
と7人(★は現役)でいずれも劣らぬ名左腕である。ちなみに200以上の勝星をあげた投手は歴代で23人いる。

 金田の400勝は凄い。20勝を20年連続で稼いで達成できる記録と考えると、今後も破られそうにない。400勝のうち352勝を万年Bクラス球団の国鉄で記録している。通算の奪三振4490も日本記録。金田に対抗する左腕は江夏だろう。先発で206勝、抑えで193セーブという記録はなかなか出来ない芸当である。1968年の1シーズン奪三振401は日本記録。
 敗戦が勝星を上回る梶本は9連続奪三振の記録を持つ速球が持ち味だった。江夏とは対照的に先発型を通した『草魂』の鈴木、制球難の剛球が売り物だった巨人の二軍監督を務めた中尾と、多彩なサウスポーが並ぶ。

 ちなみに歴代奪三振10傑(+左腕)を並べると
① 金田正一(巨人)4490+
② 米田哲也(阪急)3388
③ 小山正明(大洋)3159
④ 鈴木啓示(近鉄)3061+
⑤ 江夏 豊(西武)2987+
⑥ 梶本隆夫(阪急)2945+
⑦ 工藤公康(西武)2852+
⑧ 稲尾和久(西鉄)2574
⑨ 村田兆治(ロッテ)2363
⑩ 村山 実(阪神)2271
となり、左腕の健闘が目立つ。そして
⑪ 小野正一(中日)2244+
⑫ 山本 昌(中日)2192+
と続く。小野は大毎、大洋、中日で登板し184勝で稼いだ速球派だった。

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 雄星に望むのは、速球派の三振の取れるサウスポーである。

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