2009年9月3日木曜日

居眠り磐音「侘助ノ白」

いよいよ安永8年に

 佐伯泰英の“居眠り磐音江戸双紙シリーズ第30弾「侘助ノ白」”(双葉文庫)を読む。
 ドラマティックな「陽炎ノ辻」から始まったシリーズも数えて30巻目、よくぞ続いていると感心する。さすがにネタに苦労している感は否めないが、佐伯泰英の読ませる技術・筆力はさすが、だなぁ。
 今回は年の瀬から正月にかけての江戸と土佐の高知の2元中継。でぶ軍鶏こと重富利次郎が土佐藩近習目付の父、百太郎と土佐入りして藩政改革を巡る騒動に巻き込まれる。利次郎の剣士として成長が描かれる。今後、霧子とのロマンスの進展がありそうな雲行き。
 江戸・神保小路の尚武館道場では新キャラの登場となる。富田天信正流槍折れの小田平助が門下(門番)として迎えられる。下士上がりの棒術の名人で、歳のころは44、45歳の苦労人、これからの活躍が見られそう。
 物語の本題である次期将軍とされる西の丸(家基)を巡る動きは、田沼意次の嫡男、意知の放った伊皿子風也を筆頭する五人組が尚武館に道場破りに現れるが、新参の小田平助が先陣を切り2人を打ち破りすごすご退散する、というごく軽く触るだけだった。
 そして、クライマックスともいえる安永8年(1779年)の年が明けた……。


磐音シリーズ
・第29弾「冬桜ノ雀」2009・5・7記
・第28弾「照葉ノ露」2009・1・29記
・第27弾「石榴ノ蠅」2008・10・4記
2009年9月1日読了

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