2008年2月16日土曜日

市川崑の煙草:続・蛇足

 蛇足の蛇足になりますが‥‥。
 市川崑の愛した煙草銘柄のことで、「映像美は永遠に市川崑」の項(文末)の蛇足として「チェリーを好んで吸ったという」と書いたが、どうやらこれは「戦前のチェリー(CHERRY)」だった。
 現在市販しているチェリーを吸っていると勘違いして記述したので、文末に「注」を挿入した。

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 13日に亡くなった市川崑の葬儀・告別式が15日に、自宅近くの教会で営まれ、俳優の中井貴一が市川の嗜好していた煙草「キャメル」1カートンを棺に納めたと、日刊スポーツ、報知新聞、スポーツニッポンの各紙が報じている。

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 専売公社いや日本たばこ産業(JT)から現在「チェリー(CHERRY)」は発売されているが、戦前のものとは同じ名称ながら、関連性はない。つまり味が違う。「似て非なり」である。
 戦前のチェリーは「バージニア葉による甘みと細身の巻きと両切りが特徴の煙草」だそうだ。池波正太郎らが好んで吸っていたのは戦前のチェリーで、戦時中は敵国語を避け「桜」と改名されている。
 没年をみると、1990年の池波は吸った可能性はあっても、1963年の小津安二郎と1967年の山本周五郎は現在のチェリーは吸ってはいないのだ。

 現在のものはアメリカンブレンドで、1970年(昭和45)に発売された。

 「チェリー」も「キャメル」も区別のつかぬ、煙草を吸わない草野球音が不案内で、誤解を招く記述になった。
 「生兵法は怪我の元」である。
 隠居にして覆面雑文屋は、誤解・不快を招く表現を厳に慎みたい、と心した。

※蜘蛛巣丸太「草野球音備忘録」では人物名の敬称を省略しています。文章中で「主」の記憶違い・事実誤認・赤字などがありましたら、ご指摘くだされば幸いです。また赤字などの訂正、文章表現などの加筆は随時行っています。

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